今日の勉強会 人の体重を支えられるか?

しばらく前の事ですが、一度打ち合わせをしていたロープアクセスでの作業に
キャンセルの連絡が入りまして 『窓から手が届くのでそうします。』 との事。

まァ、こちらとしては行政でもましてや司法の立場でもないので
『あぁそうですか、お気をつけて…』 としか言いようがありませんが
ご説明いただいた内容は決して安全とは言えない、よくありがちな方法でした。

そこで今日は勉強会としてそれを再現し、どんなものかテストしてみました。

まァ、窓から手が届くとは言ってもこんなやり方です。
                            注 : 安全は確保して再現しています。
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『別の人間が中から安全帯を持っているから大丈夫!』と主張されていましたが
それはただ希望的観測であって、実際はどうなるか知らないだけなんです。

とは言え、我々も物理的にそう考えるだけで体験をしていないので
万一墜落した場合、人間一人分の荷重はどんなものかテストしてみました。
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重さ75kgの袋を細いビニールひもで70㎝吊るし上げています。
細いビニールひもを切り、落下率ゼロで落下させてみます。
怪我をする可能性がありますのでコネクターも結び目も無しでロープを握り踏ん張ります。
そんなガチンコ実験です! 
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結果は、握力のある写真の彼でも体ごと引っ張られました。
私もやってみましたが、気合満々でも支えられるものではありません。
それは落下率ゼロでも荷重のおおよそ倍の重量が瞬間的に掛かるからで
150kgの重量なんて支えられるわけありません。
ちなみに75kgが静荷重であってもそれをロープで引っ張り上げる事も不可能です。
あのCMのように『ファイトぉーイッパぁーツ』なんて行くわけないんですヨ! 念のため

と言うことは、お互いを接続していると中で支えている人も一緒に墜落します。
ランヤードを持っているだけなら、きっと支えきれず手を放してしまうでしょう。
実際には落下率はゼロではありませんので、150kgどころの重量ではありませんしね。


現在の建築業界は過当競争のあげく、とても正気とは言えない一面がありますが
目先の安全や品質を犠牲にしてもそこに発生するのは、膨大な量のリスクがあるだけです。
by takumino-prince | 2010-10-03 19:31 | ロープアクセスワーク | Trackback | Comments(4)
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Commented by 山口宇玄 at 2010-11-12 21:36 x
どうも、山口宇玄です。
このゼロフォールファクターを人に支えさせる実験、いいですね。うちでも新人にやらせてみようかな。
しかし、建物の中から人を支えている写真にはドン引きですね。
Commented by takumino-prince at 2010-11-13 20:16
> 山口宇玄さん
 どぉも、山口さん コメントいただき光栄です。
 こんなガチンコ実験しか出来ませんが経験から得ものは大きいですね。
 まず普段は体験する事が無い事をまたやってみたいです。
Commented by 山口宇玄 at 2010-12-15 09:09 x
そうですね。
自分の心の疑問に忠実に従った実験のほうが、楽しいし有益ですね。
理論や数値よりも、自分の体で理解することのほうがはるかに貴重で重要で風化しにくいですから。
Commented by takumino-prince at 2010-12-15 21:17
> 山口宇玄さん
 しばらく拝見しなかったらすごいダミーを作られてますねェ。
 ナカナカ、山口さんの実験に比べると恥ずかしいですが…(汗)
 何でもそうですが、経験した人間が一番強いって事でスネ!