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フルハーネス型安全帯の義務化に向けてでしょうか
厚労省ホームページから見る、検討会報告書などにも、最近 “レストレイン” の言葉が出て来るようになりました。

レストレイン それは 『抑制』『制限』『拘束』と言った意味ですが
高所では、行動を制限して墜落に至る場所へ侵入させない様にロープで身体を繋ぐ事です。

ちなみに厚労省のホームページから『正しく使おうフルハーネス』って資料に解りやすいイラストがありました。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/170131-1.pdf
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ロープアクセス(ロープ高所作業)では、準備や撤収作業時に必須のシステムですが
一般的な高所作業においても採用すれば、墜落リスクはゼロになります。

ちなみに、屋上端部での写真です。
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アサップロックを使用しています。
ロープがピンと張ってますので、パラペットを超えて墜落に至る事はありません。

それでロープの反対側はどうしているのかは
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排水管の屋上通気管につないだり、場合によっては後施工アンカーを打つ事もあります。
参考までにこの通気管はスラブのコンクリートに打込まれた鋳物製ですが
そうでは無い強度の無い物もありますので注意が必要です。
決して防水層の脱気筒に繋いではいけません。

アサップロックの他にレストレインを取るには、ロープクランプを使う方法もあります。
これはレスキューセンダーにカウズテイルを接続
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調整式ランヤードを使う方法もあります。
これはグリヨン
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高所でのレストレインには、様々な器具とロープの組み合わせが使えますが
正しい知識で正しく扱う能力が必要になります。



平成29年6月13日付で
墜落防止用の保護具に関する規制のあり方に関する検討会報告書がアップされています。
厚労省 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000167518.pdf

作業床などを設けるのが困難な場合に、原則フルハーネス型の使用を義務付ける内容の様ですが
各所に、原則ISO国際規格に適合させるべきであるとされています。



大手ゼネコンさんから質問を受けました。
ロープアクセスでマンションの大規模改修改修で
無足場工法と名乗るロープアクセスの業者が25%位も安かったけど、どうなの? と・・・

まぁ仮に6,000万円の工事費としますと1,500万円も足場組んでする一般的な工法より安いって事です。
足場を必要とする外壁に、手を入れる部位が僅かだったらあり得ますが
それなら大規模改修をするまでも無かったでしょうし・・・

そうですねェ、真面に考えれば何かが犠牲になっています。


私はロープアクセスを業務としている人間ではありますが
環境的な特別の事情があれば別として、マンション等の大規模改修にロープアクセスは採用するべきではありません。

まず法令順守の観点から
厚労省令の『ロープ高所作業の定義』に作業床を設ける事が困難なところにおいてとあります。
短時間の調査や補修程度の作業に、ロープ高所作業(ロープアクセス)を採用するのは問題ないのですが
大規模改修には、何か特別な理由が無い限りコンプライアンス面においてロープアクセスはまず採用されません。

品質のとコスト
最近では、環境や防犯の面でゴンドラを採用する大規模改修工事も多くありますが
普通は仮設費だけの理由では無くて、作業能率が下がるため3割(場合によります)程度割高となります。
それで、ロープアクセスだと決して作業性が良くなる訳ではありません。
足場上での作業に比べて能率の劣る作業ですから、品質の基準をクリアするには労務費はそれなりに掛かります。

ロープアクセスと言う作業手段は、バリューエンジニアリングに繋がるところはあります。
でも、ローコストの為の作業手段ではありません。
国内法でも、国際基準においても、まず作業床を設ける事が大前提です。
正直言ってコスト的な面で電卓を叩いて、ロープアクセスを使うってのもチョビっとは有りますけどね
チョコっとの仕事に大掛かりな足場を組んでもリスクは増えるし
ゴンドラや高所作業車も、ちょっと難しいなと言った時にロープアクセスの検討をすれは良いんです。


現場で苦労をして来た方達なら解ると思います。
表面的な体裁を整えるだけなら誰でも出来るんです。
10年 20年 30年 と色々な建物と付き合って来て思い知らされる事、たくさんあります。



まず、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
ただ、どんなに優れた道具でも使い方を間違えれば事故に繋がります。

↓ 写真は高架水槽架台の溝型鋼にロープの支点として安全帯用クランプを取り付けたものです。
  この溝型鋼は少しテーパーが付いているのと若干引き抜き方向に荷重が掛かりますので
  大丈夫ですが気持ちの問題で1人に対して3個の荷重分散で運用しました。
  (メーカーでは8°のテーパーまではOKとなっています。)

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しばらく前ですが
大手ゼネコンさんの現場でこの安全帯クランプは慎重に運用する様にと指導を受けました。
実際に鉄骨鳶職の墜落災害も発生しているとの事で
その使用方法に何らかの無理があったのかも知れません。
今のところ、社内基準として使用禁止とはしていないとの事でしたが
事故が再発すればその頻度のリスクの観点から
最悪は使用禁止の対策が取られるかも知れません。

冒頭にも書きましたが、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
この安全帯用クランプもそうですが
ロープ高所作業やゴンドラでも、高所作業において墜落防止用に使用されるクランプ類
パラペットクランプと呼ばれる物でもそうです、墜落災害は発生しています。

それぞれの製品は、ちゃんと強度もあって信頼のおけるメドインジャパンの製品なんですが
それらのクランプ類を設置する母材側の状態に強度は左右される事
皆それをよく知っているはずなんです。

新しい鉄骨でも塗膜が厚すぎたら、食付きが悪くなるかも知れません。
塗膜が劣化してたり錆びて腐食が進行していると、それも食付きが悪くなるでしょう。
パラペットクランプの場合
パラペットがALC1枚で出来ていたらALCは破断するかも知れません。
防水層の立ち上がりをクランプすると防水層は変形して緩むかも知れません。
クランプには単純な引張りやせん断荷重のみでなく、モーメントの応力も働きます。

クランプ本体に強度はあっても
設置する部位の状況状態によって必要な強度が得られない場合もあるんです。

墜落を防止するためのアンカーは誰もが見極められる物でもありません。
作業指揮監督する方たちが
その母材の知識までを持っていないと本当の安全とは言えないかも知れませんね。

今回の指導を受けて、安全帯用クランプを含めてクランプ類の運用に関して
リスクの見積は見直しが必要だと感じました。




とくに勤勉な人間だとは思っちゃいませんが
今月中旬のインフラ調査士試験に向けて、今年のゴールデンウィーク中は勉強会です。

ロープアクセスの仕事をしているので橋梁等の点検業務の仕事が来ます。
その時、仲間内の資格所持者を呼んだにしても
何の資格も無ければ自分自身どうも恰好つかないですしねぇ。

ロープアクセスマンって調査にしろ工事の業務にしろ
大方それぞれその業界からは、やはり“なんちゃって”の印象があります。
それは先入観だけでは無いのも事実ですけど
専門の技術技能を持ってちゃんとやってる人も居るのは居ます。
ロープアクセスはあくまで作業手段。

もちろん資格を取れば免許皆伝と言うわけではありません。
資格は最低限の知識を有していますの証ですから
その知識と言うツールを使いこなす能力を磨いて
なんちゃってを払拭せねばと、自分自身に言い聞かせるわけです。 (笑)

さて、インフラ系も建築系の構造物も同じで長寿命化への時代です。
大自然の驚異にさらされている状態も、構造も直し方もほぼ一緒
造り方や直し方、そして造り手で耐久性に差が出るのも同じです。
そこにあるそれぞれの基準をクリアし続けるには
ずっと勉強って付いて来るもんなんでしょう。


トーアス株式会社様のお手伝いで、斜張橋の点検に行って来ました。
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まずはボルトラダーのセットからなので
一般的な橋梁に比べロープのセットに時間が掛かります。
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今のところ、国内法では基準といえる物が皆無と言っても過言ではありませんが
IRATAのロープアクセスには国際標準ISOに準拠した細部に渡る基準があります。
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もちろん
今回の斜張橋においても万全の安全と完璧なレスキュー計画が用意されました。

そこが、全産業の中で最も安全と国際的に評価されている
                   IRATAのロープアクセスです。
ロープアクセスの仕事をしていますので、屋根上作業の墜落防止について質問を受ける事があります。

でも、実際は何の対策も無しでの作業って結構多い様ですねぇ。
よく屋根や板金屋さんが落ちたって聞きますし…

ご存知ですか?
厚労省のホームページからダウンロードできる資料です。
『足場の設置が困難な屋根上作業での 墜落防止対策のポイント』
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/140805-1.pdf

この資料の中に出てるシステムでフルハーネス型の安全帯を使用すると
おおよそ20~40万円くらいしますが
安全設備って仮設ですから後に残る仕事では無いし、ケチっちゃう工務店って多いんですかね?

いくら木造2階建でも、高所の作業は死に直結する場所ですし
いま時は、もし災害が発生すれは事業主責任が厳しく問われる時代でもあります。

多様な現場で、それぞれ墜落を防止する措置は色々と引き出しを持っておく必要がありますね!
一般の方々からするとそうですよねェ。

当然、危険な仕事に見えます。
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一応、国際標準のISO22846に基くシステムのロープアクセスで作業しており
国際的には全産業の中で最も安全と言われるIRATAのロープアクセススタイルです。

似た作業スタイルに窓清掃などのブランコ作業や建設で言えばのり面作業は
労働災害が多発しているので、「何とかせえや!」という事で国内法が今年出来ました。



時々、こう言われます。
 『命がけの仕事ですね!』
その時は、こう返します。
 『いえいえ、命はかけていません!  生活がかかってるだけです!』 (笑)
すると昨日はこう帰ってきました。
 『座布団一枚!』 (笑)

う~ン、たったの一枚ですか・・・
中央労働災害防止協会さんで開催されました
第1回 『ロープ高所作業特別教育インストラクター講座』
を受講して来ました。
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正直言わせてもらいまして、突っ込みどころ満載のロープ高所作業厚労省令・・・
      まぁ、昨年まではアンダーグラウンドでされて来たのが
      今年から法で認められたばかりなんですからそんなもんなんでしょうけど・・・
でも、きっと真面な方向に進んで行くんだろうなと考えています。


今回は第1回とあってか、研修教習機関の講師をされている方が多かった様に思います。
流石に普段は講師されていると素晴らしいですねぇ。
シャープな方ばかりで、とても良い刺激を頂いて来ました。

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今後も、災害とは無縁と言える産業に育てていきたいと思います。
6寸勾配屋根の塗り替え工事中です。
急勾配屋根になりますので屋根足場が必要な角度ですが
ロープアクセスで作業をしています。

さて、安全面のお話は今回は置いておいて・・・
屋根にスラントスケールを当ててみました。
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このスラントスケールは土木用、と言いますか建築専用のってあるのかなー?
スラントスケールは主に丁張り(数センチの板を組み合わせた目印)出しに使われるからこんな目盛りのしか無いのかも知れません。

それにしても、勾配の表示方法は建築と土木で何故違うんでしょうねぇ。
もうちょっと、何とかならんかったんでしょうかねぇ? (笑)

まぁ、建築と土木だけでは無くて部位や用途が違えば表示方法は変わります。

ちなみに建築の屋根勾配と土木傾斜面の表示の違いは
建築は水平距離を1に対してどれだけ上がったか
水平1尺に対して6寸上がれば、6寸勾配と呼びます。
 (1mで60cm上がったのと同じで図面上では6/10と表示します。)
一方土木は垂直の高さ1に対してどれだけ水平に伸びているか
高さ1mに対して2m水平に距離があれば2割勾配と呼びます。
めんどくさいですねぇ~

ちなみに屋根勾配の6寸勾配は約31°
また、土木の2割勾配は約27°です。

土木でも道路の勾配は%で表示してます。
水平距離100mに対して何m上がったか
例えば道路で7%の坂道は水平100mで7m上がります。

さて、水勾配や排水管の勾配は1/100とか1/200など分数で表示します。
100cmで1cmとか2cm下りますよって意味です。

考えてみればその業種その業種で解りやすい呼び方を使っているんでしょうけど
知らない者からすれば、表示方法が様々で実に解りにくいです!
何とかならんの? って思いますけどならんでしょうねぇ。 (笑)