カテゴリ:ロープアクセスワーク( 84 )

国立研究開発法人 海洋研究開発機構 の「ちきゅう」と言うドリルシップ
正確には地球深部探査船とのことですが、凄い船でした。

ご縁を頂きまして、株式会社 新星興業様のお手伝いに
この「ちきゅう」でロープアクセスのお仕事をさせて頂きました。
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国際標準ISOに唯一準拠するIRATAの国内ロープアクセスマン精鋭が集まりました。
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ほんとに素晴らしい経験をさせて頂きました。
このお仕事に携われた事が誇りに思えます。
広島で、のり面業者の方々60名にお集まりいただき
「ロープ高所作業」特別教育 を行いました。

     主催 株式会社 ケイエフ
        全国法面防災協会
     主管 一般社団法人 日本産業用ロープアクセス協会

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残念ながら、ビルメン業のブランコ作業に次いで墜落労働災害の多い業界ですが
そこに私共の IRATA 国際標準のロープアクセスを掲げても
それはただの押しつけで反発も有るだろうとは思います。

でも、“決してこの業界は今のままで良いはずは無い!”
そう考える、株式会社ケイエフ様をはじめとし熱意のある方々がいます。

まずは安衛則改正に併せて、一石を投じる事が出来たらと思います。
本日は『一般社団法人日本産業用ロープアクセス協会』の主催で
「ロープ高所作業」の特別教育を行い
主に広島でロープアクセス系でガラスクリーニングに従事されている方々が集まりました。
厚生労働省令の改正に併せて、平成28年 今年の7月1日から適用される特別教育です。

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「ロープ高所作業」に係わらず、高所からの墜落事故は多発しています。

様々な原因で発生するヒューマンエラー
そのヒューマンエラーが起こっても墜落に至らない身体を守る基準作りとその周知が必要ですが
残念ながら先進国の中でも日本は全く以て遅れています。

今日、参加された皆さんにもお話しましたが
それらをたった一日で伝えきれるものではありません。
基本を繰り返し繰り返しトレーニングする事がリスクを無限小にする第一歩だと思います。
今週はIRATA国際検定にインストラクターとして参加させていただいています。
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全産業の中で最も安全と国際的に評価されるIRATAのシステムは
事故を限りなくゼロに近づける他では絶対に真似の出来ないリスクアセスメントがあります。

    IRATA国際検定 → http://www.ropeclimbing.jp/
労働安全衛生規則の一部を改正する省令案にロープ高所作業における危険の防止に係る規定が新設され特別教育が義務化されます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088923.html

この中に謳ってありますが、ロープ高所作業とは高さが2メートル以上の作業床を設けることが困難なところで、いわゆるブランコなどの昇降器具(作業箇所の上方にある支持物にロープを緊結してつり下げ、このロープに労働者の身体を保持するための器具(身体保持器具)を取り付けたもので、労働者自らの操作により昇降するもの)によって身体を保持しつつ行う作業です。

この省令案の内容的には、まだ細則が無く概要的な内容のみ(今のところ)ですが大きな進歩だと思います。

また、この省令案の中に現場の事前調査とその記録、そしてその調査に基づいた作業計画の作成とその周知が明記されていますので、発注者も含めて元請業者も施工業者も今後事業主としての責任の所在が明確に問われます。
これまで無法状態であった為、コストが優先され危険な作業環境を強いられていた現場も改善されて来ると思います。

ロープ高所作業は、どれも万一の事態が発生すればその深刻度はとても高いものになります。
ですからその事態の発生頻度はゼロでなければいけません。
今後、このロープ高所の省令が国際標準のISO 22846並みに引き上げられる事を期待しますが、まずの法令順守と共に、企業そして個人の社会的責任の考えが大きく広まる事を願います。
高所の作業手段にロープアクセスと呼ばれる方法がありとてもメリットの大きい手法です。
ただこのロープアクセスには現在国内法では規制が無く、言うならば日本は無法地帯です。

高所での作業はとても危険でロープアクセスには高度の技術も要求されるので
国際的には先進国をはじめ50か国以上の国がIRATA(アイラタ)と呼ばれる
産業ロープアクセス団体の有資格者であることを義務付けています。
本来ならば日本もとっくにその中に入っていなければいけないのですが・・・
    IRATA → http://www.irata.org/

このAIRATAは国際的にはとても評価が高く、全産業の中で最も安全との評価もされており
国際標準のISOに唯一準じた技術を広めている世界最大のロープアクセス団体です。
また国内でも最近は発注者側からこのIRATA有資格者である事を要求される事も増えています。

ですから我々ロープアクセス技術者としても安全に運用出来る裏付けとして
このIRATA資格取得は必須と考え、約6年も掛かりましたがようやくlevel3にたどり着きました。
ちなみにlevel3は最上階級でlevel1からlevel3は最短2年です。

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今回の一週間ものアセスメントに来た多くの仲間との交流がありました。
ほとんどの方が自費で来ていますが、やはりそこに来る人達は自分の仕事に誇りを持ち
最善の物を提供できる出来る様いつも努力をして沢山の引き出しを持っている方々です。

正直に言いまして個人の負担としてはちょっとまだ高額でね、またそれが3年更新ですしねぇ。
本音はちょっと割に合わんかなとも思いますが、それが仕事ですしこのIRATAが楽しいんですね。
そう電卓が判断基準の方には理解出来ない我々です! (笑)

最後になりましたがIRATAを通じて多くの仲間に出会い支えられてここまで到達出来た事に感謝します。




追記
広島近辺でIRATAロープアクセスに興味のある方を対象に月1回程度の勉強会をしています。
ご興味ある方はご連絡ください。 
  (有)大森クラフト → http://www.ohmori-craft.com/

また、下記でも講習会が開催されています。
  FTGロープアクセス 神奈川県横浜市 → http://www.ftgworks.com/works/
  ロープクライミングjp 兵庫県高砂市 → http://www.ropeclimbing.jp/
これはタイルの浮き(剥離)が進行したもので“ふくれ”と呼びかなり危険な状態です。
当然、この後でふくれ部は撤去しましたが・・・
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ここだけの話ですがこの建物の外壁タイルの調査を行うと全体の45%が浮きの状態でした。
これは尋常ではない数値ですし検証の結果から施工不良との判断をさせていただきました。
もちろん、中立の立場でです。

外壁タイルの剥落防止は建物の規模用途を問わず法的に義務がありますので
建物管理者の負担は補修費用も考えればかなり重いのですが
これまで建物完成後、瑕疵担保責任10年だったのが
民法不法行為の時効をあてた最高裁判決が出て以降現在は
設計者施工者は20年間タイル剥落による危険の回避義務を負う認識に変わっています。

正直なところまだこの認識は建設業界の中でも知らない人が多いのですが
だからと言ってタイルの浮きがすべて施工不良では無く
それはほんの一部で経年劣化もあれば地震などの揺れの応力によるものも在ります。
それでも浮かないタイルの施工を目指して技術が進歩しているのも事実です。

ただ、失われた20年間と呼ばれるコスト優先だった建設業界にそのツケが回ってこない事を祈ります。
コンクリートの補修工事で外壁にモルタルを塗りました。
10㎡ほどですが最大値で約30mmもありましたので
将来的に剥落等の故障が出ない様にいくつもの手法を併用しました。
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今、建物やインフラ構造物ではこういった
モルタルやタイルの剥落・崩落リスクが社会問題化しています。

最近の新築建物では外壁タイルは貼りつけ材に柔軟性のある素材が使用された上に
複数の対策と全数検査が行われていますので長期的にも剥落等のリスクは抑えられると思います。

モルタルは今の新築ではほとんど外壁に塗る事はありませんが
この様なコンクリート補修工事ではどうしても必要になります。
ポリマー系の補修モルタルが使用されるのですが
そのポリマーに依存するのもリスクは残ります。
今回は浮きの補修に使われるピンニングに似た手法も取り入れながら
いくつかの対策を併用して出来る事はすべてやったと言えます。

仕事がら、数えきれないくらいの浮きや剥落の現実を目の当たりにして来ました。
新設時の施工不良を言うのは立証困難で無責任ですしタブー感もありますが
でも、それを疑わざるを得ない現場も沢山あります。

建材の世界も化学が進歩しケミカル、化学合成品が多く使用されています。
ただ、それに依存し過ぎると落とし穴もあるんです。

物理的に考えるとその対策はいくつも在るはずです。

これだけクローズアップされている問題だけに建築屋のメンツに係わります。
絶対に浮かさない!
意地です。
とある大規模施設建物の新築工事現場での塗装作業風景です。
ロープアクセスのエイドクライミングと称するテクニックにて作業しています。
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当然、元受は大手ゼネコンさんです。

基本的に建設現場ではぶら下がると言う行為はご法度とされていますので
単純に足場の最下段で鉄棒の様に両手で普通にぶら下がったとしても注意を受けます。
ですからロープアクセス技術を提案しても、拒絶反応を示されて当たり前なんだとは思います。
もっともゼネコンは基本的に一般作業員で工事を進めるシステムがありますし
こう言った基本的によく解らないものは使いたがりません。

この様な場所では多くは高所作業車を手段として使いますが
それが使えない時は基本的に足場を組みます。
それでも工程や品質管理的な理由で足場が組めない時は・・・
表には出ませんが意外と曖昧な事をしているのも事実なんですね。

ちなみにこの写真は素登りと言われる表には出せない作業風景です。
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鉄骨の仕口(接合部)のボルト部分をとび職が塗装しています。
ネットクランプを足掛かりに使い登っています。
ただ、安全帯のコネクターは足元ですし
ネットクランプからコネクターはは簡単に外れますよね。
誰が見たってNGなはずですが、これが現実!

それでロープアクセスは完全にシャットアウトでもありませんでね
ロープアクセス技術の中でもIRATAと呼ばれるシステムの安全性に納得され
こうやって採用していただける現場もあります。
それだけ今の建設現場も多様化が進んでいるのだと思います。

決してコスト的なものが理由で採用されている訳ではありませんが
結果的にコスト面や工程面で有利な結果が出るのも
ロープアクセス技術ならではのメリットです。

我々ロープアクセス技術者から言わせていただくと
一般的な高所での作業においてでもIRATAのテクニックの一部を取り入れるだけでも
ずいぶんと安全性は向上すると考えるのですが、まぁ多くは食わず嫌いだと思いますネ。

もちろんIRATAロープアクセス技術者はテクニックのみならず
安全の意識や認識の高さも国際的に高評価されていることから
IRATA有資格者指定の発注者も出始めているのも事実です。
橋梁主塔の補修工事の時の写真です。

身体的には結構ハードな作業だったのですが
発注者様、元受様のお心遣いもいあり、とても思い出に残る仕事でした。

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工事に直接かかわる者、職人・作業員・監督員も含めて
我々は良い仕事、喜ばれる仕事を収めたいという思いが根本にあります。
キツイ仕事でも最後に「ありがとう!」の一言で充実した気持ちで現場を終わる事が出来ます。
その時、「俺はこの仕事が好きなんだ!」 と改めて感じます。


ところが、ここ最近の建設現場はと言えば
相変わらずのギスギスした感じが多く見受けられます。
そこには元請・専門工事業者・職人作業員の間に相手を敬う気持ちが欠けているのだと思います。

今、上手く行か無い現場がとてもたくさんあります。
表向きは人手不足が理由ですが本当はそうじゃ無い気がします。
長引く景気低迷で相手を尊重するところに蓋をして来た一面もあります。

景気は回復しているかの様にも思えますがマダマダ本当は負け組建設業界!

自分のやってる仕事が好きになれる人が増えなきゃ発展するわけ無い!