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まず、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
ただ、どんなに優れた道具でも使い方を間違えれば事故に繋がります。

↓ 写真は高架水槽架台の溝型鋼にロープの支点として安全帯用クランプを取り付けたものです。
  この溝型鋼は少しテーパーが付いているのと若干引き抜き方向に荷重が掛かりますので
  大丈夫ですが気持ちの問題で1人に対して3個の荷重分散で運用しました。
  (メーカーでは8°のテーパーまではOKとなっています。)

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しばらく前ですが
大手ゼネコンさんの現場でこの安全帯クランプは慎重に運用する様にと指導を受けました。
実際に鉄骨鳶職の墜落災害も発生しているとの事で
その使用方法に何らかの無理があったのかも知れません。
今のところ、社内基準として使用禁止とはしていないとの事でしたが
事故が再発すればその頻度のリスクの観点から
最悪は使用禁止の対策が取られるかも知れません。

冒頭にも書きましたが、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
この安全帯用クランプもそうですが
ロープ高所作業やゴンドラでも、高所作業において墜落防止用に使用されるクランプ類
パラペットクランプと呼ばれる物でもそうです、墜落災害は発生しています。

それぞれの製品は、ちゃんと強度もあって信頼のおけるメイドインジャパンの製品なんですが
それらのクランプ類を設置する母材側の状態に強度は左右される事
皆それをよく知っているはずなんです。

新しい鉄骨でも塗膜が厚すぎたら、食付きが悪くなるかも知れません。
塗膜が劣化してたり錆びて腐食が進行していると、それも食付きが悪くなるでしょう。
パラペットクランプの場合
パラペットがALC1枚で出来ていたらALCは破断するかも知れません。
防水層の立ち上がりをクランプすると防水層は変形して緩むかも知れません。
クランプには単純な引張りやせん断荷重のみでなく、モーメントの応力も働きます。

クランプ本体に強度はあっても
設置する部位の状況状態によって必要な強度が得られない場合もあるんです。

墜落を防止するためのアンカーは誰もが見極められる物でもありません。
作業指揮監督する方たちが
その母材の知識までを持っていないと本当の安全とは言えないかも知れませんね。

今回の指導を受けて、安全帯用クランプを含めてクランプ類の運用に関して
リスクの見積は見直しが必要だと感じました。




とくに勤勉な人間だとは思っちゃいませんが
今月中旬のインフラ調査士試験に向けて、今年のゴールデンウィーク中は勉強会です。

ロープアクセスの仕事をしているので橋梁等の点検業務の仕事が来ます。
その時、仲間内の資格所持者を呼んだにしても
何の資格も無ければ自分自身どうも恰好つかないですしねぇ。

ロープアクセスマンって調査にしろ工事の業務にしろ
大方それぞれその業界からは、やはり“なんちゃって”の印象があります。
それは先入観だけでは無いのも事実ですけど
専門の技術技能を持ってちゃんとやってる人も居るのは居ます。
ロープアクセスはあくまで作業手段。

もちろん資格を取れば免許皆伝と言うわけではありません。
資格は最低限の知識を有していますの証ですから
その知識と言うツールを使いこなす能力を磨いて
なんちゃってを払拭せねばと、自分自身に言い聞かせるわけです。 (笑)

さて、インフラ系も建築系の構造物も同じで長寿命化への時代です。
大自然の驚異にさらされている状態も、構造も直し方もほぼ一緒
造り方や直し方、そして造り手で耐久性に差が出るのも同じです。
そこにあるそれぞれの基準をクリアし続けるには
ずっと勉強って付いて来るもんなんでしょう。