支点に潜む危険 (ビル屋上編)
僕もロープアクセスでの支点として当然のごとくに使っています。
ただ、この丸環が支点としてはすでに使えない物もあります。
それは、丸環自体はステンレスで錆も無く問題なくても
コンクリートに埋まっている中では鉄筋が腐食膨張し
コンクリートごと崩壊する事があります。
実際にそれで墜落事故も過去にはあったとのことです。
この丸環はコンクリート内では鉄筋がカンザシの様に通してありますが
その鉄筋が腐食膨張すると、絵に書いたように
コンクリートごと丸環がボコッと崩壊します。
怪しい場合は、ハンマーなどで打診してみると判ります。
判らない場合は使わずに、判別できる技術者に確認させて下さい。
そして何ら問題の無い場合でも、2箇所以上の丸環で支点を取ります。
これもビルの屋上でよく見かける機械基礎。
TVアンテナの基礎もこれくらいですね。
位置的に都合良ければ、長いアンカーストラップなど廻して支点に使います。
実はこの基礎も危ない物があります。
このくらいの基礎だと、重量は500kgぐらいです。
防水層で確認できませんが、基礎を置いてあるだけかも知れません。
要は、躯体と鉄筋で繋がってないコンクリートの塊だけのこともあります。
ということは、落下率1の衝撃加重はこの基礎の重量を超えます。
ビックリした方もいるかと思いますが、すべてが危ない訳ではありません。
僕は、その建物の建築時期と施工建設会社名を参考にして
大丈夫かどうかを推測しますが、あくまでも推測ですね。 (笑)
確信もてない時は必ず別の支点を取ります。
必要であれば後施工アンカー(注)で支点を取ります。
(注) コンクリート強度でアンカー強度は変ります。
今時のRC造ならR階でも24とか25Nぐらい
古い建物なら18Nで勘定します。