塗り壁とクラック(ひび割れ)
なんて書くと、賛否色々と出てくるとは思いますが・・・
でも、いかにクラックが入らないようにするか様々な工夫があります。
コンクリートもそうですが、外壁のラスモルタル壁
これらはクラックが目立たないようにするために
クラックの誘発目地を設けます。
目地の中にクラックが入るので目立たないのです・・・
最近では目地のない仕上方が要求されることもあるので
ノンクラックなんてもっともらしい名称の工法があり
グラスファイバーを張り込む手法もあります。
昔は些少のひび割れやちり隙(柱の際など)はそんな物と
認識されていました。でも、そうならない様な手段はあったわけで
ちりじゃくり・ひげこ打ち等と呼ばれる技法がそうです。
内装の塗り壁では、多くの場合が
材料にある程度の弾性を与えてあります。
クラックが入る理由に、材料の硬化中に収縮する為に入るものと
下地(建物)がある程度動く為に入るものの大きく別けて2つあります。
内装用に塗る材料のほとんどが収縮しにくい材料なので
内装塗壁でのクラックは、下地による理由がほとんどですから
内装仕上げには弾性を持たせた塗壁材が多く流通しています。
でも、この弾性を与える為には化学合成樹脂を使う為
珪藻土などの場合、本来の性能を落す事になります。
クラックが出るとそれはクレーム対象となりますので
ほとんどの建材メーカーがそうしています。
とある所で検証された事があり、ほとんどの材料が
メーカー調湿性能公称値に達していない
との結果が出たことがあります。(残念ながら・・・ )
逆に弾性を与えていない本質的な性能を重視した材料を塗る時は
下地に相当気を使うか、クラックは出て当たり前といった考え方をすることになります。
下地に使うプラスターボードは厚みのある物を使うのは当然ですが
さらに2枚重ねで貼ったり、石膏系中塗りをしたりしますが
コストは掛かります。
弾性のある材料でも、下地にコストをかけたとしても
これで完璧と言うのはなかなかむずかしいものです。
とは言え、クラックの発生しないにこしたことは無く
我々、建築技術者の永遠の課題でもあります。
この写真のクラックは少し大きいのです。
問題ではないのですが、構造的な歪が出る部位でしたので・・・
たいてい、クラックが出るとしてもヘアークラックと言われる細~いものです。
塗り壁のクラックに対しては、施工経験の多い技術者ほどある程度寛大なのは面白い実状です。
ただし、お施主さんはそうではないですからね・・・