ロープアクセスは世間一般の方々から見ると、やはり命がけの仕事として見られていますねぇ。
見た目にとってもデンジャラスですからね、そりゃそうだ。(笑)

生活に困窮している訳でも無いので仕事に命まではかけませんよ。
仕事は命がけで! とも言われますがそれは別の意味!

ロープアクセスが危険なのでは無く、高所すべてが危険な場所なのであって墜落すれば死亡災害に直結します。
だから高所ではその墜落リスクに対策が必要な場所であって、さらにロープアクセスでの現場によっては何らかの理由で動けなくなった同僚のレスキュースキルも必要になり、様々な危険因子にリスクアセスメントとその対策が成されて許可される作業手段のロープアクセスです。
ちなみに、たとえば大きな橋梁の真裏の様な現場では消防のレスキュー隊は助けには来れません。 ハイパーレスキューでも無理だと思います。
グリンプデイにエントリーされているような消防隊員の方々なら安全にレスキューを完結出来ますが、日本国内では一握りの方々です。

ロープアクセスも含めてですが、高所では墜落に至らない対策が必要な場所です。
大手建設会社さんなどでは、まず墜落の恐れのある場所に入ってはいけないと言う大原則がありますが、それでは仕事にならんので色々な基準があり、その基準を守らないから事故が起こります。
また、社内基準などの想定外の場合は対応しきれない場面もあって、一般入手できる器具や情報では作業を組立てられなく残存リスクを承知しながらもやっちゃう事は、建設業界では多々あります。

ちなみに、日本では高所作業の基準が変わろうとしています。
たとえば、既存の胴巻きの安全帯は使用出来なくなります。
    参考記事 http://www.decn.co.jp/?p=97972


さてよく在りがちな作業ですが、残存リスクを認識しつつもやっちゃうになりがちな作業を先日行って来ましたので紹介します。
もちろん、突っ込み所の無い様にやってますヨ!
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ポストアンドビームのログハウス風の大きなお屋敷の軒裏棟部分にあるスズメバチの巣を撤去して来ました。
高さは10m超
普通の場合でしたら、二連梯子下で介添えをしてノーランヤードで作業してると思いますが大きなリスクを背負った作業になります。

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梯子は上部を固定しなければいけません。
この場合は固定出来ませんし固定するなら梯子を登ってから固定する様になりますので、予めロープをセットしてから梯子を立てて、トラ綱(控えロープ)を張ります。
もちろん足元もロープで固定し、転倒を防止します。
そしてこれも予めセットしておいたバックアップロープで昇降し、作業時は調整式ランヤード(グリヨン)でワークポジショニングします。
また、アルミ製梯子は短墜落時の衝撃荷重に対する強度は無いと思われますので、それぞれのロープは荷重分散をしてロープは弛ませない様に作業します。
(よく梯子に安全ブロックを予めセットして立てかける絵を見ますが、アルミ製梯子の場合は短墜落した時の衝撃荷重に耐えられるか問題はあると思います。)

一応移動梯子は作業手段では無く通路ですが、作業を容認できるレベルに墜落リスクを軽減して作業を行ったと考えておりますがいかがでしょうか?




今年最後のロープアクセス勉強会です。
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年末の繁忙期もあってメンバーは揃いませんでしたが、消防士の方々が数名参加して下さいました。

消防局のレスキュー隊員の方々も、多様化する現場に対応出来る様に休日を使っては色々な勉強会に参加されているそうです。
日頃のご活躍に感謝です!

ロープアクセスに限りませんが、高所での作業は単に墜落だけでなくいくつものリスクがあります。
それらのリスクに対策が成されてから作業が許可され、レスキューにおいてもそれは同じだと思います。

そしてその対策は「人」と「物」
物理的な対策は難しくありません、人的な対策として勉強会は欠かせませんね。

今年は大手企業の不正ニュースも多かった事ですし、来年は安全だけで無く品質面の勉強会も少し増やしたいと思います。




フルハーネス型安全帯の義務化に向けてでしょうか
厚労省ホームページから見る、検討会報告書などにも、最近 “レストレイン” の言葉が出て来るようになりました。

レストレイン それは 『抑制』『制限』『拘束』と言った意味ですが
高所では、行動を制限して墜落に至る場所へ侵入させない様にロープで身体を繋ぐ事です。

ちなみに厚労省のホームページから『正しく使おうフルハーネス』って資料に解りやすいイラストがありました。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/170131-1.pdf
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ロープアクセス(ロープ高所作業)では、準備や撤収作業時に必須のシステムですが
一般的な高所作業においても採用すれば、墜落リスクはゼロになります。

ちなみに、屋上端部での写真です。
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アサップロックを使用しています。
ロープがピンと張ってますので、パラペットを超えて墜落に至る事はありません。

それでロープの反対側はどうしているのかは
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排水管の屋上通気管につないだり、場合によっては後施工アンカーを打つ事もあります。
参考までにこの通気管はスラブのコンクリートに打込まれた鋳物製ですが
そうでは無い強度の無い物もありますので注意が必要です。
決して防水層の脱気筒に繋いではいけません。

アサップロックの他にレストレインを取るには、ロープクランプを使う方法もあります。
これはレスキューセンダーにカウズテイルを接続
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調整式ランヤードを使う方法もあります。
これはグリヨン
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高所でのレストレインには、様々な器具とロープの組み合わせが使えますが
正しい知識で正しく扱う能力が必要になります。



平成29年6月13日付で
墜落防止用の保護具に関する規制のあり方に関する検討会報告書がアップされています。
厚労省 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000167518.pdf

作業床などを設けるのが困難な場合に、原則フルハーネス型の使用を義務付ける内容の様ですが
各所に、原則ISO国際規格に適合させるべきであるとされています。



大手ゼネコンさんから質問を受けました。
ロープアクセスでマンションの大規模改修改修で
無足場工法と名乗るロープアクセスの業者が25%位も安かったけど、どうなの? と・・・

まぁ仮に6,000万円の工事費としますと1,500万円も足場組んでする一般的な工法より安いって事です。
足場を必要とする外壁に、手を入れる部位が僅かだったらあり得ますが
それなら大規模改修をするまでも無かったでしょうし・・・

そうですねェ、真面に考えれば何かが犠牲になっています。


私はロープアクセスを業務としている人間ではありますが
環境的な特別の事情があれば別として、マンション等の大規模改修にロープアクセスは採用するべきではありません。

まず法令順守の観点から
厚労省令の『ロープ高所作業の定義』に作業床を設ける事が困難なところにおいてとあります。
短時間の調査や補修程度の作業に、ロープ高所作業(ロープアクセス)を採用するのは問題ないのですが
大規模改修には、何か特別な理由が無い限りコンプライアンス面においてロープアクセスはまず採用されません。

品質のとコスト
最近では、環境や防犯の面でゴンドラを採用する大規模改修工事も多くありますが
普通は仮設費だけの理由では無くて、作業能率が下がるため3割(場合によります)程度割高となります。
それで、ロープアクセスだと決して作業性が良くなる訳ではありません。
足場上での作業に比べて能率の劣る作業ですから、品質の基準をクリアするには労務費はそれなりに掛かります。

ロープアクセスと言う作業手段は、バリューエンジニアリングに繋がるところはあります。
でも、ローコストの為の作業手段ではありません。
国内法でも、国際基準においても、まず作業床を設ける事が大前提です。
正直言ってコスト的な面で電卓を叩いて、ロープアクセスを使うってのもチョビっとは有りますけどね
チョコっとの仕事に大掛かりな足場を組んでもリスクは増えるし
ゴンドラや高所作業車も、ちょっと難しいなと言った時にロープアクセスの検討をすれは良いんです。


現場で苦労をして来た方達なら解ると思います。
表面的な体裁を整えるだけなら誰でも出来るんです。
10年 20年 30年 と色々な建物と付き合って来て思い知らされる事、たくさんあります。



まず、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
ただ、どんなに優れた道具でも使い方を間違えれば事故に繋がります。

↓ 写真は高架水槽架台の溝型鋼にロープの支点として安全帯用クランプを取り付けたものです。
  この溝型鋼は少しテーパーが付いているのと若干引き抜き方向に荷重が掛かりますので
  大丈夫ですが気持ちの問題で1人に対して3個の荷重分散で運用しました。
  (メーカーでは8°のテーパーまではOKとなっています。)

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しばらく前ですが
大手ゼネコンさんの現場でこの安全帯クランプは慎重に運用する様にと指導を受けました。
実際に鉄骨鳶職の墜落災害も発生しているとの事で
その使用方法に何らかの無理があったのかも知れません。
今のところ、社内基準として使用禁止とはしていないとの事でしたが
事故が再発すればその頻度のリスクの観点から
最悪は使用禁止の対策が取られるかも知れません。

冒頭にも書きましたが、この安全帯用クランプは優れた製品だと思います。
この安全帯用クランプもそうですが
ロープ高所作業やゴンドラでも、高所作業において墜落防止用に使用されるクランプ類
パラペットクランプと呼ばれる物でもそうです、墜落災害は発生しています。

それぞれの製品は、ちゃんと強度もあって信頼のおけるメドインジャパンの製品なんですが
それらのクランプ類を設置する母材側の状態に強度は左右される事
皆それをよく知っているはずなんです。

新しい鉄骨でも塗膜が厚すぎたら、食付きが悪くなるかも知れません。
塗膜が劣化してたり錆びて腐食が進行していると、それも食付きが悪くなるでしょう。
パラペットクランプの場合
パラペットがALC1枚で出来ていたらALCは破断するかも知れません。
防水層の立ち上がりをクランプすると防水層は変形して緩むかも知れません。
クランプには単純な引張りやせん断荷重のみでなく、モーメントの応力も働きます。

クランプ本体に強度はあっても
設置する部位の状況状態によって必要な強度が得られない場合もあるんです。

墜落を防止するためのアンカーは誰もが見極められる物でもありません。
作業指揮監督する方たちが
その母材の知識までを持っていないと本当の安全とは言えないかも知れませんね。

今回の指導を受けて、安全帯用クランプを含めてクランプ類の運用に関して
リスクの見積は見直しが必要だと感じました。




とくに勤勉な人間だとは思っちゃいませんが
今月中旬のインフラ調査士試験に向けて、今年のゴールデンウィーク中は勉強会です。

ロープアクセスの仕事をしているので橋梁等の点検業務の仕事が来ます。
その時、仲間内の資格所持者を呼んだにしても
何の資格も無ければ自分自身どうも恰好つかないですしねぇ。

ロープアクセスマンって調査にしろ工事の業務にしろ
大方それぞれその業界からは、やはり“なんちゃって”の印象があります。
それは先入観だけでは無いのも事実ですけど
専門の技術技能を持ってちゃんとやってる人も居るのは居ます。
ロープアクセスはあくまで作業手段。

もちろん資格を取れば免許皆伝と言うわけではありません。
資格は最低限の知識を有していますの証ですから
その知識と言うツールを使いこなす能力を磨いて
なんちゃってを払拭せねばと、自分自身に言い聞かせるわけです。 (笑)

さて、インフラ系も建築系の構造物も同じで長寿命化への時代です。
大自然の驚異にさらされている状態も、構造も直し方もほぼ一緒
造り方や直し方、そして造り手で耐久性に差が出るのも同じです。
そこにあるそれぞれの基準をクリアし続けるには
ずっと勉強って付いて来るもんなんでしょう。


松下幸之助さんの一日一話
これのブラウジングアプリってのが有りまして
パナソニックのHPにリンクしており毎日、拝見しております。
過去に書籍で読んだ記憶もありますが、覚えちゃいませんよね。
こうして、日々噛み締めて読むのが良い様です。

ちなみに今日のお話
4月19日 社会人としての義務br>
われわれお互いが、みずから進んで常識を豊かにしてゆくとか、仕事の力をさらに高めてゆくということは、もちろん自分自身のためではありますが、それは同時に、社会に対する一つの義務でもあると思います。たとえば、われわれの社会で、すべての人が一段ずつ進歩したとするならば、社会全体も一段向上します。ところが他の人がみな三段進歩したのに自分は一段も進歩しなければ、社会全体の平均の段数は三段上がらないことになります。自分ひとりのために全体の水準の向上が犠牲になるわけです。
われわれは、このような社会人としての義務感をしっかり認識し、日々努めなければならないと思います。
私が実際に体験したのでは無く現地で聞いた話ですが
昨年の熊本地震で多く発生したそうです。
鉄筋コンクリート造の建物で主にマンション
地震直後に各住戸の玄関ドアや避難階段の常閉防火ドアが
歪み開かなくなり閉じ込められると言った事例が有ったそうです。

マンションの各住戸の玄関ドアも防火戸ですから
たいていが鉄製そして常閉、枠が歪めば開かなくなります。

最近は地震で歪んでも開くドアも有りますが
まだ、そうでは無いものが大部分です。

共用部に出れても地震でエレベーターが止まり
避難階段に出る防火戸が開かなければ建物内に閉じ込められますし
また、その閉じ込められる恐怖は相当なものだったと思います。

火災の時は安全に避難するめにはとても大切な防火戸も
地震の時に開かなくなり避難の妨げとなってはいけませんね。
今後は改善されると思いますが、既存建物ではその相反する課題は残ります。

最大の防災は、いざの時どうするかの避難計画を作っておくことです。
地震の時にドアが開かなくなり閉じ込められる可能性もある。
その時はどう対処するのか?
また、火災の時はどう避難するのか?
地震の時、火災の時、それぞれで計画を作っておく必要があります。

少なくとも
地震で、たとえ頑丈な鉄筋コンクリート造の建物であっても
鉄製のドアが開かなくなり閉じ込められる危険がある事は
覚えておいてほしいと思います。
建設現場の高さ2メートル以上の場所で作業員が着用する安全帯について
   胴体部全体を支持するフルハーネス型を原則化
フルハーネス型の着用に関する留意点について
   安衛則36条に基づく特別教育を実施するよう義務付け
2017年1月16日 厚生労働省

ちなみに、一般的な胴ベルト型の安全帯は無くなるとの情報もあります。

フルハーネス型なんか着けてちゃ仕事になん無いよ! って方も居ると思いますが
ランヤードのコネクター接続してても落ち方によっては20kNを超える衝撃荷重が掛かります。
どうなると思います?
容易に想像つきますよね。

まぁ、20kNも掛かっちゃフルハーネス型の安全帯でも人体は相当なダメージを受けると思われます。
だから、ランヤードのコネクターをどう接続するかをちゃんとレクチャーしなきゃいけないンですね。
藤井電工さんのHPに『1本つり専用/ハーネス型安全帯の取扱い』のページがありましたのでリンク貼っておきます。
https://www.fujii-denko.co.jp/anzentai/harness/


参考までに、墜落時衝撃荷重の規格値は
EN   6kN
アメリカ  8kN
日本   8kN 
ショックアブソーバー付ランヤードも必須ですねェ。