ただロープアクセスが出来るからと言って、普段はガラス清掃をやっているのに「タイル打診は任せてください!」なんてちょっと変だと思いませんか?

ちなみに日本建築学会の指針には、こう書かれています。
診断のレベルと診断する行為者に求められる関係は
  1次診断 一般的な建築技術者
  2次診断 専門技術者
  3次診断 高度な専門技術者

しかしですね、建築物の劣化調査や診断を行う者の資格について日本では法的に定められていないのが実状であり、国交省も建設キャリアアップシステムなんて推し進めているのに、技術者の権限が守られずザルの状態が発生しています。

私もロープアクセスマンでタイル打診やりますってやつには、最低でもBELCAの建築仕上診断技術者を取得する様に勧めるのですが、ほぼ取りに行かないですねぇー
彼らの取引先である調査会社やコンサルタント会社では、その様なスキルなどは全く要求されないそうです。

逆にゼネコンではコンプライアンスやCSRの観点からだけでは無く、タイル打診に限って言えば国家資格のある技術者にプラス、最低でも公的資格者や経験のあるタイル技能者が混ざる形で行うのが当たり前だと考えていますので、ただロープアクセスが出来るだけの者にタイル打診をやらせる事はまずありません。

これだけまじめな物作りが問われている時代なのですから、実は素人工がやってましたでは寂しいですね。
倫理の問題だと思います。

ちょっと気になる事件があったので書いてみました。

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今日は枝下ろしです

昭和の前半くらいまでは、すぐ裏山の木を切って燃料にしていました。 風呂や竈(くど・かまど)に。
その燃料がガスや電力にとって代わり、生活の中から忘れ去られたすぐ裏山の木々は巨大化し、リスクをはらんだ厄介物に成りつつあるのです。

そんなに数はありませんが危険木の倒伐もやっています。
IRATAのロープアクセスをきっちり学べばそんなに難しい仕事ではありませんが、チェンソーの特別教育を含めて関係する知識・技術を含めてそれなりの技量が必要となります。
この仕事はコンプライアンス的には、伐木等の業務・ロープ高所作業・フルハーネス墜落制止用器具
以上3つの特別教育は最低受けていなければいけません。
さらに、クレーンで吊り切りする場合は玉掛の技能講習も必要になります。

この様に複数の特別教育・技能講習が要求されるという事は、それだけリスクが多く存在するという事です。
建設に限らず様々な業種においてまじめな物作りが問われるのと同様、まじめに業務を遂行する意識がとても大切な仕事だと思います。


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今日はステンレス葺き屋根の上

暑いぞ!

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最近、内装工事などで使われ始めた作業台です。 元々は、水深調整にプールの底に設置する物の流用品ではなかろうかと思うンですけど
また足場になるので、これを組立設置するのも足場の組立等特別教育は必要になります。
現場によっては便利なんだけど、昇降の多い作業は約30cmの踏段昇降でけっこう足に来ます!
ちょっと筋肉痛


大手ゼネコンさんのお仕事で浮きタイルのピンニング樹脂注入!
これは部分的な補修が必要でゴンドラ設置が困難な部位であったため行ったもので、基本的にはロープアクセスでの大規模改修は私はお勧めしません。
そんなに合理的な作業手段ならゼネコンが飛びつきますわね。

大規模改修は建物の長寿命化には必須ですが、こまめなメンテナンスをすることで大規模改修のスパンを伸ばす事が出来ますし建物の長寿命化にとても有効になります。

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今日はとある大手ゼネコンさんの広島支店にて『フルハーネス 墜落制止用器具』の特別教育です
製造業や建設でもゼネコン系はさすが大手さんなので指導が進み特別教育の受講は進んだ様ですが
戸建ての建築系や林業などではあまり進んでいない、と言うか無関心とも聞きます。
また、肝心のハーネスが物によっては一年待ち以上になる物もあるそうです。

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今日は大手のゼネコン様主催で岡山商工会議所にて開催です。

70人足らずお集まりいただきました。
頑張って大きめの声を出していたら喉に来まして… (汗)
そんなに広い会場では無いのですが、マイク使う事にします! (笑)

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取引先の地元営業所で特別教育をさせていただいたら
本社でもと呼んで頂きまして、今日は大阪に来ています。
いや~、ほんと名誉な事です。
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フルスペック6時間みっちりの講義!
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

現場が求めているのは教科書には載ってない事故を未然に防ぐ為の技術と知識です。
鉄骨建方などの現場では国内製品では正直なところ限界がありそうです。

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とある物流倉庫の屋根上での作業で雨樋の修繕をしています。
高さは約30m レストレインでの墜落防止をして作業しています。
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この2月1日よりフルハーネス型の使用が義務付けられた場所になりますが、作業床が有って手摺が無いだけなのでこの様な場所では特別教育までは法的には要求されていません。

また、今回のフルハーネス型の特別教育は墜落時に身を守る為のものではあるのですが、本来はその墜落にまで至らない技術をしっかり学ばなくてはならないのに今回の特別教育の中にレストレインが出てくるのはほんの僅かです。

さて私らはロープアクセス(ロープ高所作業)をしていますので、ハーネスはフォールアレスト兼用型のロープアクセス用ハーネスを使用して、レストレインとしても使える幾つかの器具がありますが、今回の作業に指導役として来てくださった板金屋さん(雨樋工事は建築板金)は一般的な国内製品のフルハーネスに2丁掛けランヤードでした。

そして、私らのハーネスは墜落制止用器具を接続する背中と胸のD環(フォールアレストアタッチメント)以外に腰回りに3個のD環が附いており、またその全てがレストレインを接続するアタッチメントとしてのEN基準をクリアしたものになっていますので長さ調整式ランヤードの接続も容易ですし、この様な屋根端部でもレストレインとしての微妙な長さ調整も簡単に出来ます。

今回の作業で感じたのは、一般的な国内流通品フルハーネスで背中のD環だけではこの様な端部での作業時にレストレインの調整が非常に取りにくいです。
レストレインですから最も端部で常時ロープがピンと張る状況にするには、左右に動くとどうしても微妙な長さ調整は必要になります。
残念ながら国内製品にはそこまでの物が無いので、結局端部においてピンと張らなくてはならないレストレインがユルユルの状態で作業する事になる事になり、結局レストレインの役割を果たして無い墜落リスクに対策のされていない作業をしてしまう状況が想定されます。
また一般的に流通している16や18ミリの三打ちロープは、私らの使うカーンマントル構造の11ミリロープに比べると扱い易さや対応器具の観点からレストレインには不向きです。

ハッキリ言いましょう!
フルハーネス型墜落制止用器具で墜落に至った時に現場の状況にもよりますが、ほとんどの場合レスキューは簡単ではありません。
レスキューはそれなりのトレーニングを受けていないと出来ませんし、国内のメーカーにレスキュー器具もありますが誰が要救助者にそれを接続しに行けますか?
また、要救助者が動けたにしても自分の背中のD環に自分で接続するのは不可能です。
そして消防のレスキュー隊を呼んだとしても、手際良くサクッとロープレスキューが出来るのは一部地域の一部の訓練されたレスキュー隊だけです!

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育の中でサスペンショントラウマも習うと思いますが、上に書いた事が現実です。

決して、フルハーネスだったら落ちても大丈夫なのではありません!
まず、墜落に至らない墜落防止技術を身に着けることが一番大切な事です!


参照 → レストレインって何ですか? (高所作業)