カテゴリ:リペア・リカバリー( 28 )

建築で 『直す』 の仕事をしています。

直せと言われれば、なんでも直すのですが
『とりあえず、大森に言っとけば何とかするだろう!』
みたいな所がありまして、毎日色んな人に色々と鍛えられています!
考えてみればロープアクセスの入口もそんな感じだったと思います・・・ (笑)

それで、今回 『何とか直らんかねェ。』 と相談されたのは
ミルクパン、鍋です。  (まァ、雑貨や家具もよく頼まれます。)
何十年と言われたかな? 40年って言われたような気がするのですが
ずいぶんと使い込まれたミルクパン、使い勝手が良くて気に入っていらしたとのこと。
その木製のもち手(ハンドル)が割れても我慢して使っていたのだけど
そのハンドルを何かで作って! と・・・

『しばらく時間下さいネ!』 と預かり帰りまして
何か堅木を削って作ろうかなんて考えていましたが
この鍋、長く使い込まれたわりにはそのハンドル意外はガタは無くて
よく見れば結構しっかりした作りなんです。

それで、刻印を頼りにインターネットで検索してみましたらありました!
小林工業株式会社   ラッキーウッド
問い合わせをしたところ、すでに製造はしていないものの
ハンドルの在庫ありとお返事をいただき、早速送ってもらいました。
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こんな小さな鍋でも、建物でも同じですが
長い年月を経過して、魂を注がれた製品かがはっきり判るんですね。

今回は物作りのスビリットを垣間見た気がします。
敷居に単板貼りの依頼で行ったのですが
新築物件でのリカバリーかと思いきや、築10数年の賃貸マンション。
痛んだ敷居は単板貼りで直せる次元では無かったのだけど
ある程度に見栄えが良くなればOKとの事だったので、削って直す事にしました。
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『敷居は踏んではいけません!』 現代では死語になってしまったようです。
踏んではいけない理由の一つに傷みやすい部位だからと言うのがあります。
元々、加工がしやすく肌合いの良い軟らかめの木材、栂(つが)が良く使われていたので
傷まないように、踏まないようにしていたのだと思います。

これぐらいの段差があると、敷居の角に土踏まずを押し当てると気持ち良いのですが
それ用には青竹でも買って来て下さい! (笑)

現代では傷みにくいように固めの木材で、南洋桜とも呼ばれるニヤトーも使われますが
高級住宅だけで一般的には集成材にビニール系の敷居すべりを貼った物が主流です。
いずれにせよ敷居は踏まないようにしないといけません!
賃貸物件などであれば金属製のVレールのような物にした方が良いと思いますが・・・

さて、サンディングして削ってみると思ったより綺麗になりました。
集成材ではなく、無垢材だったので思い切って削れたのも良かったようです。
次回直す時が来たなら、その時は敷居を丸ごと交換になります。

木工をしている方の中にはサンダーを使うことを嫌う人もいるのですが
サンディングは一つの優れた手段だと思います。こだわりもあるとは思いますが・・・
物を直すという観点では、サンダーは重要なアイテムでして
ちなみに普段使っているサンダーはこれだけあります。
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マキタとボッシュはペーパーの規格が同じなので丸形や三角形の物でも互換性があり便利です。
敷居の補修に単板を貼ったんだそうです。

上手く貼れなくて、無理やり剥がし母材がむしれた所は
パテをして貼り直したそうです。

のりを除去せずに貼ったもんだからボコボコになって
『こりゃいかん!』 となって単板職人を呼んだところ
増し貼りは許可されず、剥がすと大変な事になるもんだから
サンディングで何とかして痘痕は建材補修の職人を呼んで体裁を繕ったそうです。

それでも検査に通らず、どうにもこうにもならなくなって・・・
『だからって俺をよぶの?』 

単板貼りは一発勝負です。
    注 ワンタッチの場合。
       酢ビ系の接着剤を使用しアイロン張りなら位置合わせもしやすいのですが…
ワンタッチと呼ばれる両面テープノリの付いた単板は簡単そうなので
誰でも貼れそうな気がしますが、プロセスを知らないと上手くいきません。
そして、失敗したらどうにもこうにもならず
無理やり引き剥がすと母材がむしれるし
両面テープのノリが残り手の施しようがありません。 通常は・・・
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この単板貼りを失敗した場合、一般的にはさらに重ねて貼りボロ隠しをするのですが
どうしても剥がしたい場合は
まず、5ミリ間隔ぐらいに失敗した単板にカッターナイフで切れ目を入れます。
そこにラッカーシンナーを染込ませノリをふやかせば簡単に剥がす事が出来ます。
残ったノリはさらにラッカーシンナーでゆるめてスクレパーで取除きます。
後は良く乾かせばもう一度初めから単板貼りが出来ます。

いずれにしても、他の部位に被害を広げる可能性があるので
繊細さに欠ける職人にはやらせてはいけません!

仕事が薄いご時世ですから、仕事欲しさに
『あれ出来ます。 これ出来ます。』 って言うんですヨ!
結局、仕事を完結できずに評判を落として行く…
何やってんだかネ! 
最近の玄関SD(スチールドア)は現場で塗装せず
出来合いの製品を取り付けるだけなのですが
工事中に人の出入りが多い所だけに
養生不足であったり、無頓着な作業員がいるとキズが入ります。

この玄関ドアを補修で直しきれない場合は
通常新しいものに交換となりまして
物件(マンション)によっては数十枚、ウン百万円もの費用がかかり
『その費用を誰が見るんだ』 みたいなゴタゴタ話もよく聞きます。

そんな嘆かわしい呆れるような現実もありますし
現場でのメタリック塗装となるとゴミかみや風の影響もあり
苦しみの多い作業となるので、あまりやりたくは無いのですが・・・
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結局、60枚足らずの全塗装!
おかげさまで腕前は相当に上がりましたが・・・

ゴミかみや、風による多少のムラ直しは
後からタッチアップできるのですが、しんどい仕事です。

出来ればこの技術はリニュアルなどの時に使いたいものです。
交換に比べ費用は1/3~1/2程度で済むとは言え
それにかける費用で十分対策は出来るはずです。
モデルルーム関係の仕事はあまりしないのですが
室内の印象を良く見せるためにも色々と工夫されているようです。

入ってみたら欲しい物がいっぱいあります…
大型液晶テレビにWiiFitもあるし…
カーテンは当然のようにレースインだし・・・

話変って
机を現場で切ってたら端っこがはじけたもんで、何とかしてくれって来たんです。

   これは裏話なんですが
    モデルルームをスッキリ見せるためには家具をいくらか細工する事もあるんですねェ~


で、これがその時の写真です。
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切る所にマルノコを当ててからスイッチを入れると、この様にはじけます。



とりあえず補修して ↓
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                            上手く直せた時だけ披露してます。

                                     これも裏話・・・ (笑)
今日は、先日あるテナントビルの集合ポストをリメイクしたときの写真です。

上がbefore 下がAfter です。

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枠はステンレスですし、普段あまり人の手が触れませんので綺麗ですが
ポストのフタは毎日のように開け閉めされるので、アルミダイカストに塗装の
フタは見栄えが悪くなっていました。

一つ二つの場合ですと交換した方が安上がりかもしれませんが
数ある場合はリメイクすると経済的ですし、カラーを選ぶ事もできます。

作業は現場で行い数時間で終ります。

淡いゴールド系のメタリック塗装で仕上げ見違えるようになりました。
夕方近くになって、明日は引渡しの現場から電話が…
エアコン取付業者が電池ドライバーを落としてフローリングに傷をつけてしまったとのこと…
定時の5時で仕事を片付けてその現場に行き
補修するにはダメージが大きすぎるので張り替える事になった。
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マンションでよく使われる直張りのフローリングなので
こうやって簡単に部分的に張り替えることが可能です。

通常は4枚剥がせば張り替えられるのだけど
剥がしの最中に残す所にもダメージを加えてしまったため6枚に… 042.gif
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ボンドを塗り、せらしながら実を合わせてパカンと押し込めば完了!

僕を呼ばなくて良い現場作りをしないといけない! とよく言われます。
ハイ! まったくその通りだと思います。
リカバリーの業者が繁盛するなんて何処か間違ってるような気がします。


と、言いつつも・・・
               大丈夫!
                  歯医者さんがあれだけ歯磨き指導しても
                     虫歯患者が居なくならないのと同じでしてネ!
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少し長めの休暇をとって、どこかでのんびりしたくなって来ました…
3ケ月近く集中して仕事してたから、そろそろ脳みそが溶け始めてま~ス!
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さて、フローリングもそうですが木質系建材は同じ品番でも
ロットが違うとこれだけ色調がずれます。
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ロット違いの材料が混ざったためにこうなってしまいました。
当然、うちの施工ではありませんよ!

で、ここからがうちの出番! 034.gif
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木目を比べていただくと判りますが、張替えたわけではありません。
明かりのぐあいで写真の発色が違いますが
色調の違う数枚だけ塗装して周囲のフロアーに合わせています。
まァ、百点満点ではありませんけどォ~  043.gif


こういった技術は教えてくれる人がいませんので
色々と研究して身に付けて行きます。
その中でもいちばん勉強になるのは人の仕事を見ることです!
建材メーカー等から補修に来た職人と仲良くなって雑談の中から情報収集したり
その職人が使ってる資機材を、こそっと覗き込んで見たり…
それらのちゃんとした基本的な知識があれば
それだけで自分の中で組立てられる物なんですヨ!


       仕事は習うんじゃなくて、盗め! って、よく言われましたからネ!  004.gif
建材補修(リペア)というのは

たとえば、こんなのを
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こんな風に直す仕事です!
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これは、出窓のカウンター
 上は丸ノコできざみを間違えたのでしょうね~
  それを下のように直します。

けっして写真を撮ってから切れ目を入れたのではないですよ! (笑)

僕らだったら、きざみ間違えたらすぐに新しい材料を手配するんだけど
 なんだろう? クレヨンすり込んであっただけで、ちょっと寂しいですネェ~
  もっとも、高価な材料だったら何度か確認するから
   まず間違えないはずなのだけど、何箇所もこんな間違いしてるから…

『職人辞めたほうがいいんじゃない?』 とも言いたくなりますな!
 
最近はほんとうに、良い職人ってのを見かけません…
 色んな現場を見ますが、仕事にキレが無いって言うか…

心に響くような仕事をする職人達は、いったい何処に行っちゃったんだろ・・・



 
引渡し目前のマンションのエントランスです。
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焼付塗装のスチール枠にキズ多数・・・

エントランス周りの工事は工程的に最後の頃でバタバタしており
 作業員も無神経になってしまうのかも知れません。
  結局、ほぼ全塗装になってしまいました・・・

メタリック塗装なのでそれなりの難しさはあるのですが
 それよりも、真前はバス停だし
  土曜日だったので棟内モデルルームの見学者の方が次々と来るし・・・
   別の意味でちょっと気苦労があったかな・・・

それにしても補修の仕事もしていますと、色々な事やらせていただきますデス!